肺気腫
どんな病気?
肺は肺胞という小さな風船の集まりですが、喫煙などにより(多くの場合は喫煙が原因ですが、その他にも大気汚染や粉塵などの職業歴が原因となり得ます)風船と風船の間の壁に炎症が起き、その結果、壁が壊れて二つの小さな風船が一つの大きな風船に変わることがあります。これを繰り返していくとだんだんと風船が大きくなり、また大きくなった風船は肺のガス交換という重要な機能を失ってしまい、ただポカンと大きいだけの空洞が出来上がってしまいます。この空洞がたくさん認められる状態のことを肺気腫といいます。
どんな症状がでるの?
風船が大きくなっただけでは症状は現れませんが、それが肺の中で多くを占めるようになると労作時呼吸困難という症状が現れます。肺気腫から自覚症状が出現してくると、その状態を慢性閉塞性肺疾患、タバコが原因であればタバコ肺と言ったりもしますが、症状に対する呼び方が変わります。詳しくは次の項目のタバコ肺・慢性閉塞性肺疾患で説明します。
どうやって診断するの?
胸部レントゲンから異常を指摘し、それから胸部CTを撮影します。胸部CTにて肺の中に大きな空間、肺気腫を認めると、それが診断となります。あとは喫煙歴、職業歴などの環境についてお話を聞いて診断の助けとなります。
どうやって治すの?
一度壊れてしまった肺、肺胞、肺胞壁は元に戻ることはなく、タバコが原因の場合には直ちに禁煙することが治療の第一歩です。肺気腫そのものの治療法はないと言ってよいと思います。
労作時呼吸困難などの呼吸症状に対する治療法は次項のタバコ肺、慢性閉塞性肺疾患で説明します。
なにに注意したらいいの?
繰り返しますが、現在もタバコを吸っている人であれば、なによりまずは禁煙をすべきです。
過去に粉塵などの職業歴がある人、大気汚染の強い地域に居住歴のある人、過去の健診等での胸部レントゲン異常を指摘されたことがあるひとなどは、わずかな症状が出たとしても、医師に相談すべきと考えます。定期的に医師により評価をしてもらい、それが肺に対して経過観察となりますから、悪化した場合にも早期に発見することができます。
当院では・・・
肺気腫と診断することで経過観察が可能です。また禁煙指導も行います。