呼吸器内科・アレルギー科・内科

いわさきJクリニック

百日咳

どんな病気?

世界中にみられる感染症で予防ワクチン接種が一般的になる以前は、乳幼児を中心に高い死亡率があり注意すべき疾患でした。
 ワクチン接種が一般的になると患者数は激減しましたが、ワクチン接種率が低い国では頻繁に百日咳の流行がみられたり、我が国でもワクチン未接種の子供に発病がみられたりと問題になることがあります。
 以前は子供の病気と思われていましたが、ここ最近は大人の発症が増えてきており、ある統計によると2000年以前はほとんどが子供の発症でしたが、2015年ごろには患者の約半数が大人であり、感染の広がりが問題となっております。
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どんな症状がでるの?

文字通り100日間咳が続く病気です。
 発症初期はカタル期とよばれ、7~10日の潜伏期間を経て、風邪のような症状が2週間ほど続きます。
 その後、痙咳期とよばれる病態が出ます。特徴的な発作性のけいれん性の咳が続き、咳の後に息を吸うときヒューと笛のような音が聞こえます。ただし、小児では特徴的な所見として見られますが、大人の場合はその限りではなく、単なる咳としてみられることも多くあります。これが2~3週間続きます。
 その後に回復期に入り2~3週間、全経過で2~3ヶ月の後回復、改善していきます。

どうやって診断するの?

確定診断には鼻咽頭の粘液から百日咳菌の分離同定が必要ですが、この培養は非常に困難であり、また培養自体に時間がかかるため、臨床的にすぐに治療につなげることが難しいことが多いです。
 採血による血清診断も可能ですが、診断過程が繁雑なことがあり、こちらも簡便な検査とは言い難いです。
 上述の通り大人の場合は特徴的な症状も出ないことがあり、経過や症状から総合的に診断することが多いです。
 百日咳を疑って治療を開始して、後になって血清診断から診断が確定することもあります。

どうやって治すの?

診断がつけば、百日咳に効果のある抗菌薬投与で治療できます。しかし、診断に手間取ることがあること、抗菌薬はカタル期にしか効かないことから、スムーズな治療は困難なことが多いです。
 痙咳期では抗菌薬は無効であり対症療法のみとなります

なにに注意したらいいの?

もし近親者で百日咳と診断された人がいて、咳の症状が出てきたら、はやくに医師に相談してください。
 また長く続く咳の場合も注意が必要ですので、医師の診察を受けてください。
 百日咳と診断されたら、学生の場合は学校保健安全法により出席停止の規定がありますから注意してください。大人の場合は法律はありませんが、学校保健法に則って出社その他の制限を検討することがありますから、注意してください。

当院では・・・

咳の性状、出方、経過から百日咳を疑った場合は血清検査を施行し、診断の参考にします。カタル期であれば抗菌薬投与となりますが、それ以降であれば対症療法となり、症状改善まで治療を継続します。
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お問合せはTEL: 095-828-5556
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