良性発作性頭位めまい症
どんな病気?
めまいといっても原因によりさまざまで、誰にでも起こりうるものから命に関わる重篤なものまであります。
良性発作性頭位めまい症は末梢性(耳の中の問題)で良性(悪性が原因ではない、多くの場合一過性)によるもので、めまいの中ではもっとも頻度が高いものになります。
耳の中の三半規管が原因で、三次元の感覚をつかさどるセンサーの誤作動もしくは過剰反応といっても良いと思います。
男女とも若い人にもお年寄りにも起こりえます。ストレスや不眠、疲労なども原因として挙げられます。
どんな症状がでるの?
突然はじまる回転性のめまいです。回転性とは右から左にもしくは左から右に視界がぐるんぐるん回る感じです。
耳鳴りを伴わず、眼を閉じると症状は軽くなります。吐き気を伴うこともあります。
眼を閉じて休んでいると、そのうちに症状は消失します。
どうやって診断するの?
症状が起きているときに目を見て、眼振(目が小刻みに左右に動く)を確認できれば、この病気を疑います。そのほかに脳の病気がないこと、耳が症状なく、機能も正常であることの確認も重要です。
症状が消失したあとでも、問診から疑うことが可能です。
どうやって治すの?
自然に消失することが多いですが、症状改善後も頭を動かすと再発することがあるので、なるべく頭部を同じ向きに保つことが必要です。
お薬もありますが、飲まないと治らないということはありません。
耳鼻科医であれば、頭囲変換療法といって、頭を他動的に動かすことによって正常な状態に戻す方法もあります。
なにに注意したらいいの?
耳鳴りがなく、手足のしびれや麻痺もなく、しゃべりにくさもなく、強い頭痛もなく、要するに他の重篤な疾患を否定できるのであれば、目を閉じて休むことが最善の方法です。
一旦改善しても頭を動かすことによって再発するので、なるべく動かさないようにしましょう。
再発を繰り返す方は一度耳鼻科医に相談したほうがいいかもしれません。
当院では・・・
当院では眼振の確認と、症状の経過をお聞きすることでこの病気を疑うことが出来、休息による経過観察や内服処方をすることが出来ます。症状が改善しない場合、めまい以外の症状を認める場合などは、耳鼻科や脳神経外科など、専門医へご紹介することがあります。