逆流性食道炎
どんな病気?
人間は食べたものを消化し、吸収しやすくするために胃に胃酸があります。胃酸により食べたものを溶かし腸へと送ります。かなり強い酸ですが、胃の壁は酸に耐えられるようにできています。しかし食道はそのようにはできていません。胃酸が食道に逆流してしまいますと、酸により食道の壁がダメージを受けてしまい、症状が出現します。これが逆流性食道炎です。なんで逆流するかですが、加齢により胃と食道の境界がゆるくなってしまうことが一番の原因と考えられます。その他に食習慣や食事の前後の行動にも原因があります
どんな症状がでるの?
胸焼けと呑酸(酸っぱいものがあがってくる感じ)が一般的な症状です。それ以外にも、頑固なせき、気管支喘息などの呼吸器症状、前胸部痛、声枯れ、喉の奥の違和感や耳痛などもあります。それぞれ、呼吸器疾患、耳鼻科疾患との鑑別が必要となります。
どうやって診断するの?
症状が典型的なので、今までの経過を聞くだけである程度の診断は可能です。確実なのは、胃カメラで直接見て診断することです。同時にピロリ菌の検査もして、感染が確認された場合には除菌をしたほうがよいです。
どうやって治すの?
今は胃酸を抑えるいい薬がありますので、それを内服します。診断が正しければ、内服開始後数日で症状は改善してきます。
下に挙げたような要因に思い当たることがあればそれを改善することも重要です。また、重症の方には手術治療という選択もあります。開腹して行う手術と、内視鏡下で行う手術とがあります。
なにに注意したらいいの?
以下のことには注意が必要です。過食、摂取カロリーオーバー、寝る前の食事、コーヒーやアルコールの摂り過ぎ、肥満、過度にお腹周りを圧迫するもの(ベルト、帯、コルセット)、前かがみの姿勢、食直後に横になること。また、逆流性食道炎が悪化する薬剤もあるので、該当薬を内服している人は注意が必要です。
この病気がすぐに命の危険を伴うことは少ないですが、出血(吐血)を認めた場合にはすぐに病院の受診が必要です。
当院では・・・
当院は呼吸器内科なので、胃カメラは施行できません。以前に診断された場合は処方を出すことができますし、初めてでも病状から診断した場合は胃酸を抑える薬を処方します。しかし、逆流性食道炎に罹患した場合は、定期的に胃カメラを実施することをお勧めします。