薬剤性アレルギー
どんな病気?
アレルギーとは、原因物質(アレルゲン)に対する過剰反応ですが、薬剤性アレルギーとはそのアレルゲンが薬剤だというものです。
注射や内服で体内に入った薬剤が原因となるので、特に注射などはすぐに血管内に広がりますので、アレルギーの症状出現も非常に短時間です。
以前に同じ薬剤でアレルギーを起こした人は、二回目三回目のほうがより重篤な症状が出現します。
また、以前大丈夫だったからその先も必ず大丈夫だとは言えません。
どんな症状がでるの?
最初に出てくるのは皮膚症状が多いです。前胸部に赤い皮疹がでたり、血管の走行に沿って腫れてきたりといった所見が見受けられます。
ひどくなってくると、皮膚症状が全身に広がったり、口腔内にブツブツを感じたりします。
最重症だとアナフィラキシーショックとなります。呼吸がしにくくなったり、血圧が下がったりします。アナフィラキシーになると命の危険がありますので、躊躇せずに救急車を呼ぶ必要があります。
どうやって診断するの?
お薬の内服もしくは注射のあと、15分くらいから症状が出始めれば薬剤性アレルギーを疑います。ただ、アレルギーの種類によっては投与後半日たって出てくるものもあるので、一概には言えません。
その他には、皮膚に被疑薬の成分を注射してみて反応をみるテストや採血から薬剤と自分の免疫との反応をみるテストなどがあります。
勧められませんが、同じ薬をもう一度使って、再度アレルギーが出るというのは強く診断につながります。
どうやって治すの?
アレルギー症状自体は抗アレルギー薬やステロイドで治療をします。症状がが軽ければ短い内服期間で皮膚症状は消退し治癒します。
食品アレルギーにも共通しますが、いつも症状が起きて困るような方は、予防的に抗アレルギー薬を内服する場合もあります。
症状が進行して、アナフィラキシーショックの場合は、まず生命の維持が優先されます。呼吸の確保や酸素投与、心拍の確保を薬剤で治療します
なにに注意したらいいの?
以前に問題が起きた薬剤は必ずその名前を覚えておき、病院受診の際にはかならず医師に伝えるようにしてください。
症状が出現したら、お薬の服用は止めて、すぐに医師や薬剤師に相談してください。
違う名前の薬でも、系統が同じで、同じような副作用が起きることがあるので、
ご自身で判断せず、医師薬剤師に相談してください。
当院では・・・
当院では内服薬の種類と皮膚症状の程度から薬剤性アレルギーを疑った場合、抗アレルギー薬の内服処方や、その他症状緩和のための注射薬などを準備しており、対応することが可能です。また、食品アレルギーも含めて対応をお話しすることができますので、これらのアレルギーにお悩みの方は、是非一度ご相談ください。