アトピー咳嗽(がいそう)
どんな病気?
咳喘息と同様、長引くせきの代表的原因疾患です。
花粉症やアトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎などのアレルギー疾患を持つ中年女性に多く、夜中から早朝にかけて症状が出やすいという特徴があります。
また喉の違和感、痒みをともない、咳喘息とは反対に気管支拡張薬が無効であるという特徴もあります。
喘息への進行もないといわれています。
どんな症状がでるの?
上述の通り、夜間から早朝にかけて増悪する咳嗽が長く続き、喉の違和感や痒みを伴うこともあります。
症状だけは咳喘息とオーバーラップするところが多く、咳の仕方、症状だけでは両者の鑑別は難しくなります。
どうやって診断するの?
先にも書きました、治療的診断が有用で、気管支拡張薬が無効で、かわりに抗アレルギー薬や吸入ステロイドが著効するという特徴があります。
もっと専門的には、喀痰中好酸球が増加したり、アトピー素因を認めたり、呼気NO濃度が正常であるという条件もあります。
どうやって治すの?
抗アレルギー薬がよく効きます。吸入ステロイドの利用や併用も有用です。
症状が改善すれば、薬の減量や中止が可能で、維持療法は必要ありません。
なにに注意したらいいの?
咳喘息同様、長引く咳をそのまま放置しないようにしましょう。
また多くの場合はその他のアレルギー疾患も併発することがありますので、それらの治療を一緒に行うのが効果的といえます。
症状が治まれば治療は一旦終了となりますが、再発することもありますので、過去にかかったことがある方は症状には注意してください。
当院では・・・
当院ではまず治療的診断としてお薬を開始します。咳喘息との鑑別に苦慮することが多いので、治療薬による反応を見ながら診断に導きます。
診断が確定すれば治療法の選択は難しくありませんので、抗アレルギー薬もしくは吸入ステロイドなどを使用しながら、症状のコントロールを行っていきます。