睡眠時無呼吸症候群
どんな病気?
睡眠時無呼吸症候群(SAS : Sleep Apnea Syndrome)とは、寝ている間に強い鼾(いびき)をかいたり、呼吸が止まったりする病気です。多くの場合原因は肥満によりますが、その他にも舌、扁桃、鼻腔などの病気も原因となりえますし、生まれつきあごが小さいなどの身体的特徴も原因になります。
中年以降の男性に多く、女性の場合は閉経後に発症しやすいと言われています。
近年、認知度が上がりその影響で患者数も増加しています。日中の眠気を引き起こすことから職業ドライバーなどには注意が必要と啓蒙活動が行われています。しかし長崎市ではまだ診断治療出来る医療機関が少ないのも現状です。
どんな症状がでるの?
強いいびきをかき、呼吸が止まります。長い人では呼吸が数分止まることもあります。しかし本人にはその自覚はありません。
その他には夜間頻尿、起床時の倦怠感、頭痛、日中の眠気などがあります。
日中の眠気は、昼食後にうとうとするような、誰にでも覚えのある症状から、立ったまま眠ってしまったり、車を運転中ほんの数秒の赤信号で眠ってしまったりと、かなり重度の症状まで様々です。
また、睡眠時無呼吸症候群が長く続くと、脳卒中や心筋梗塞などの心血管疾患のリスクが高くなると言われています。
どうやって診断するの?
睡眠時無呼吸症候群の診断には睡眠時のモニタリングが必要となります。自宅でできる簡易型の検査と、専門病院で一泊して検査する精密検査とあります。重症度によって違いますが、このいずれかで確定診断は可能です。
どうやって治すの?
無呼吸自体をなくすという意味での治療は、原因の除去です。肥満が原因ならダイエットをすること、扁桃、舌、鼻腔やアゴが原因なら、それぞれの外科手術で問題が解決することがあります。
根本治療の前に、現在の無呼吸を改善させるという意味での治療はCPAP(Continuous Positive Airway Pressure :経鼻的持続陽圧呼吸療法)という器械を使った治療になります。自分の呼吸に合わせて圧力を調節し、気道の内圧を上げることで気道が閉塞するのを防ぎます。これによりいびき、無呼吸は少なくなり、熟睡感が得られたり、日中の眠気から開放されたりします。CPAPは保険診療可能で、器械はレンタルとなります。
なにに注意したらいいの?
睡眠時無呼吸症候群と診断されたら、CPAPを使用しながら原疾患の治療も行います。多くの場合は肥満が原因ですから、生活習慣の改善をし、無呼吸がおきなくなるまで減量することが目標となります。
定期的に通院することで、CPAPの継続とともに、その他の生活習慣病に対してもケアが必要となることが多いです。
当院では・・・
当院では睡眠時無呼吸症候群に対して、自宅で出来る簡易検査が施行可能です。また診断されればCPAPの導入・管理が可能です。無呼吸や日中の眠気が気になる方は一度ご来院いただき検査を受けておくことをお勧めします。