マイコプラズマ肺炎
どんな病気?
マイコプラズマという菌が感染することによって発症する感染症です。ヒトからヒトへ感染し、潜伏期間は7~14日くらいといわれています。感染しても発症しない人も多くいます。(不顕性感染)健常な成人や児童に多く、幼児、高齢者には少ない傾向があります。しかし高齢者の場合は重症化する可能性があるので注意が必要です。以前は4年に一度オリンピックの年に流行していましたが、1990年代頃からその周期性は崩れ、今は毎年冬になると流行が出るようになりました。年々患者数は増加傾向にあります。
どんな症状がでるの?
特徴的な症状は発症早期からの乾いた強いせきです。昼夜問わず、眠れないほどのせきが続きます。その後の経過で痰を伴うことはありますが、汚い粘稠な痰はマイコプラズマのみでは出ません。高熱を伴うことも多く、熱による頭痛、寒気、全身倦怠感などもよく起きます。成人には少ないですが、小児期、思春期の患者には、髄膜炎、脳炎などの中枢神経系症状や、皮膚病変を伴うこともあるので注意が必要です。
どうやって診断するの?
痰や血液で確定診断できますが、いずれも時間がかかるため実際の診療の場では、効率的ではありません。その他迅速診断のためのキットがありますが、準備している病院のほうが少ないようです。
レントゲンでは特徴的な影を認めることが多く、症状とあわせて診断の助けになります。
どうやって治すの?
診断がつけば、マイコプラズマに効果的な抗菌薬はわかっていますから、その抗菌役を投与することで改善、治癒に向かいます。実際には確定診断がつかなくても、マイコプラズマを疑った場面で上記の抗菌薬を使うことが多く、早期に投与を開始すれば重症化することなく快方に向かいます。抗菌薬以外では、そのときの症状に応じて対症療法も併用して行います。
なにに注意したらいいの?
長引く症状には注意が必要です。風邪だと決め付けて放置すると重症化することもあります。また、クラミジアはどの抗菌薬でも効くというわけではありませんので、抗菌薬を飲んでいるから大丈夫ということにはなりません。少しでも疑問に思ったら医師に相談してください。
当院では・・・
症状、所見と経過から疑い、胸部レントゲンを確認します。場合によっては採血も併用し診断の助けを行います。マイコプラズマ肺炎を疑った時点で抗菌薬投与を開始し、治癒まで経過を観察します。