細菌性肺炎
どんな病気?
細菌が肺に入ることで急性の炎症をきたし発症します。年齢は関係ありませんが、やはり若い人の発症はまれで、高齢者のほうが比較的多い傾向があります。また重篤化するのも高齢者に多く、それにともない死亡率も年齢があがるにつれ高くなります。単一の細菌が原因となることもありますが、実際の臨床では複数の菌、もしくはその仲間が合わせて原因となることもあります。
どんな症状がでるの?
熱、せき、痰などの気道病変症状が主だったものになります。普通の風邪と比較して、やはりより高熱になったり、せきがひどくなったり、痰の色がいつもと違って濃かったり、緑色だったり赤みがかっていたりという特徴があります。高齢者の場合は典型的な症状が出ずに、食欲がなくなったり、元気がなかったり、だるい感じが続いたりと、気道症状に乏しいものとなる可能性もあります。
どうやって診断するの?
採血と胸部レントゲンである程度の診断は可能です。正確な診断、もしくは原因菌の同定まで考えると、痰の培養が必要なります。ただ、培養には時間が必要ですので、すぐには結果は出ません。診断の前に治療を先行させることが一般的です。また肺炎の重症の度合いをみるために、脱水の程度をみたり、酸素が血中に取り込まれている割合を見ることがあり、これらが重症度の診断、予後の推測に重要な役割を果たします。
どうやって治すの?
診断自体を疑い、原因菌の予測をつけると、原因菌を確定される前に効果的と思われる抗菌薬の投与を開始します。点滴で行う場合と内服で投与する場合があります。以前と比べて内服薬がいろいろな種類がでまして、必ず入院して点滴とはならなくなりました。ただ、抗菌薬は飲み切ること、治療中は入院しているのと同じように自宅で安静にすることが大事です。
なにに注意したらいいの?
長引く風邪だと自分で判断して、病院にいかずに重症化することはよくあります。熱が5日以上続くとか、いつもと違う痰の色がみられたなど症状があればすぐに病院を受診してください。若くて健康だから肺炎にはならないということはありませんし、高齢者の場合はなおさら命にかかわるほど重篤化する可能性がありますから、自分で大丈夫と判断せず医師の診察を受けてください。
当院では・・・
胸部レントゲンと採血で判断し、場合によっては痰の検査を外注します。症状所見から細菌の種類を推測し、それにあう抗菌薬を点滴もしくは内服薬のなかから選び投与します。点滴の場合には連日来院していただく必要がありますが、そのつど改善具合を見ることができ、診療する医師としても安心できます。