肺炎球菌性肺炎・予防接種
どんな病気?
肺炎は市中肺炎とそれ以外とに分けられます。市中肺炎とは普段の生活の中でかかる肺炎で、それ以外のものは入院中や介護を受けるような状況で発症する肺炎です。
市中肺炎の原因には多くの細菌が含まれますが、肺炎球菌はその市中肺炎のなかで1/3~1/4を占めます。原因菌の中では最も多く、重症化しやすい特徴があります。また近年では耐性化が問題となっております。
どんな症状がでるの?
熱、せき、痰などの気道病変症状が主だったものになります。普通の風邪と比較して、やはりより高熱になったり、せきがひどくなったり、痰の色がいつもと違って濃かったり、緑色だったり赤みがかっていたりという特徴があります。肺炎球菌性肺炎は時に重症化することも多く、肺炎の範囲が広がったり、呼吸困難から死に至ることもあります。厳重な病態管理が必要となります。
どうやって診断するの?
他の細菌性肺炎と同じく、喀痰を培養して肺炎球菌が同定されれば診断が確定します。ただし、この方法は培養自体に時間がかかり、診断までに日数を要することがあります。
その他に肺炎球菌の迅速診断キットがあり、尿から短時間で診断することもできます。
その他採血結果や胸部レントゲン写真も診断の助けになります。
どうやって治すの?
診断がつけば抗菌薬の選択は簡単なので、内服もしくは点滴の抗菌薬で治療をします。
肺炎球菌性肺炎と診断がつかなくても、細菌性肺炎を疑う場合は内服もしくは点滴の抗菌薬を投与することで改善、治癒が望めます。
細菌性かウイルス性か判断に迷うときは病状、所見、経過などから総合的に判断します。
なにに注意したらいいの?
肺炎球菌性肺炎にはワクチンがあります。65歳以上の高齢者や呼吸器疾患の既往がある方は接種が勧められます。
このワクチンですべての肺炎が予防できるわけではありませんし、肺炎球菌にも絶対に感染しないというわけではありませんが、やはり感染が予防出来たり、重症化が防げたりと効果は高いので、上記に当てはまる人は接種するのがよいと思います。
当院では・・・
ワクチン接種が可能ですから、ご希望の方はいつでもご相談ください。
また市町村から接種の案内や助成が受けられることもあります。案内が来た場合もぜひご相談ください。